top of page
執筆者の写真Ruck D Ruther

袴田事件:再審で無罪判決も、真犯人は未だ闇の中

袴田事件 ~ 半世紀にわたる冤罪

見過ごされた真犯人


袴田事件の概要

1966年、静岡県清水市(現静岡市清水区)で味噌製造会社の専務一家4人が殺害され、現金を奪われる強盗殺人事件が発生。当時30歳だった袴田巌さんは、事件発生から約1年後に現場近くで見つかった衣類に付着していた血痕が決め手となり、逮捕・起訴された。

袴田事件の捏造された証拠衣類

袴田さんは一貫して無実を訴えたが、1980年に死刑判決が確定。しかし、弁護団による再審請求が認められ、2014年に静岡地裁が再審開始と袴田さんの釈放を決定。検察側は即時抗告したが、2023年3月に東京高裁が再審開始を改めて決定し、その後2024年5月22日に審理がすべて終了、本日9月26日に判決が言い渡される予定だ。


 

無罪判決 ~ そして残された課題

本日14時、静岡地裁にて袴田事件の再審判決が言い渡され、袴田巌さんは見事無罪を勝ち取った。長年にわたる獄中生活と死刑判決の重圧から解放された袴田さんの姿は、多くの人々に感動と安堵を与える同時に、「冤罪」という絶望的な恐怖を、国民に植え付けた。


この無罪判決は、真犯人の存在や司法の限界を突きつけるだけでなく、新たな課題も突きつけている。それは最大の争点であった、事件から1年以上経過してから発見された衣類の血痕の色の変化、つまり検察側の「証拠捏造」の可能性。そして袴田さんの無罪が確定したことで、証拠は捏造されたモノだと事実認定されたことになる。これは真犯人は半世紀にわたって野放しにされ、事件の真相は闇に葬られると同時に、国家と国民の信頼性を著しく崩壊させることになった。


見過ごされている真犯人の存在

袴田事件の再審では、衣類の血痕の真偽が焦点となっていたが、真犯人の存在は置き去りにされていた。袴田さんが無罪となった今、真の犯人が誰なのか、なぜ事件を起こしたのか、といった疑問は解明されないまま闇の中へ。これは、袴田さんの冤罪や、被害者親族の無念を晴らすだけでなく、事件の真相を明らかにし、真の正義を実現するためにも重要な視点と言える。


この事件は、日本の刑事司法史上においても極めて重要な意味を持つ事件である。袴田さんの無罪は、長年の闘いの末に勝ち取った大きな一歩だが、真の正義を実現するためには、真犯人の特定と事件の真相究明が不可欠だ。袴田さんの苦難に満ちた人生を深く胸に刻み、二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、司法制度の改革と真の正義の実現に向けて、社会全体で取り組んでいく必要があるだろう。


 

この事件の重大な欠陥は、双方が真実の解明よりも自らの主張を通すことに固執した結果、真犯人が野放しになり、真相解明が不可能になってしまった点にあると考えられる。


  • 検察側の姿勢:袴田さんの有罪を証明することに固執し、証拠の捏造や隠蔽の可能性が指摘されてもそれを認めず、再審開始に強く抵抗してきた。

  • 弁護側の姿勢:袴田さんの無実を証明することに注力し、真犯人の特定や事件の真相解明にはあまり関心を示さなかった、示せなかった可能性がある。


本来、刑事裁判は真実を明らかにし、正義を実現するための場であるはずだ。しかし、袴田事件では、双方が自らの立場を守ることばかりに気を取られ、真実を見失ってしまったと言える。この歴史的大事件は、日本の刑事司法制度が抱える深刻な問題を浮き彫りにしている。

  • 捜査機関や検察の強大な権限:捜査機関や検察は、証拠収集や起訴・不起訴の決定など、強大な権限を持っています。この権限が適切に行使されなければ、冤罪を生み出す可能性がある。

  • 弁護側の立場の弱さ:弁護側は、捜査機関や検察に比べて証拠収集能力や情報収集能力が限られています。そのため、不利な状況で裁判を戦うことを強いられる場合がある。

  • 裁判所の消極的な姿勢:裁判所は、中立的な立場で証拠を評価し、真実を判断する役割を担っています。しかし、過去の判例や慣習にとらわれ、積極的な証拠調べや事実認定を行わない場合がある。


これらの問題点を克服し、真の正義を実現するためには、刑事司法制度全体の抜本的な改革が必要である。


  • 捜査機関や検察の権限の適正化:捜査機関や検察の権限を適切に制限し、任意性や恣意性を排除する必要がある。

  • 弁護側の強化:弁護側の証拠収集能力や情報収集能力を強化し、対等な立場で裁判を戦えるようにする必要がある。

  • 裁判所の積極的な役割:裁判所は、積極的に証拠調べや事実認定を行い、真実を明らかにする役割を果たす必要がある。


袴田事件は、我々に多くの教訓を与えてくれる。しかし、袴田さんや遺族の無念を思うと、この事件を単なる教訓として捉えるのは胸が痛む。


日本の司法制度、国家機関、国民、この国に暮らす全ての人が、真に自由で公正な社会の実現のために、団結して革命を起こす時が近いのかもしれない。

Comments


大自然 × 現代科学

古代から伝承されし大自然の叡智、

そして現代科学が解明する自然の力。

bottom of page