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​次世代ブログ

本人訴訟とは?弁護士なしで裁判をやる方法と注意点

執筆者の写真: Ruck D RutherRuck D Ruther

更新日:2月3日

裁判は法律上の権利を守るための手段で、通常は弁護士を通じて手続きを行うことが一般的です。しかし、弁護士費用の負担が大きい、適切な弁護士が見つからない、あるいは自分自身で納得のいく形で裁判を進めたいなどといった理由から、ここ日本では当事者自身が直接訴訟を遂行する「本人訴訟」も一般化しています。民事訴訟においては法的に認められている手続きであり、特に金銭トラブルや小規模な請求に関しては、本人訴訟が現実的な選択肢となることもあります。


本記事では、本人訴訟の基本的な概念やメリット・デメリット、実際の手続きの流れ、そして成功のためのポイントについて解説します。また、本人訴訟を選ぶ際の注意点や途中で弁護士に相談すべき場合についても触れていきます。裁判を考えている方、または本人訴訟に興味を持っている方にとって、具体的な参考となる情報を提供することが目的です。


裁判所

目次


 

1.本人訴訟とは

本人訴訟とは、弁護士に依頼せず自分自身(当事者)が直接、裁判所に対して訴訟の手続きを行うことです。通常、裁判においては弁護士が代理人として書面作成や法廷での弁論を行う場合が多いですが、法律上(民事のみ)は当事者本人が訴訟手続きを行うことも認められています。例えば、


ケース1:金銭トラブルで相手を訴えたいが、弁護士費用が払えない場合

ケース2:弁護士に依頼しなくても自分で手続きをしてみたいと考える場合


2.本人訴訟を選ぶ理由

(1)弁護士費用を節約できる

本人訴訟の大きなメリットは、弁護士費用がかからないことです。訴訟には着手金や成功報酬など、弁護士に依頼した場合にはかなりコストが発生します。資金が限られている人にとって、コストを抑えられることは大きな利点です。

(2)自分の言葉で主張できる

本人が直接訴訟に臨むことで、自分の思いや事実関係を自分の言葉で伝えられるというメリットがあります。弁護士を介さない分、自分の考えをストレートに主張できるという魅力があります。また、弁護士が「勝てない」と判断した事案においても、素人が勝訴するケースも珍しくありません。

(3)弁護士に依頼できない状況

「費用がない」

「良い弁護士が見つからない」

「親身になってくれない」

などの理由で、どうしても弁護士に依頼できないときの選択肢として、本人訴訟が検討されることも多いです。法テラスなどの無料相談制度もある程度は整備されていますが、とても十分な制度とはいえず、その実態は単なる肩代わりの借金制度です。



3.本人訴訟の流れ

本人訴訟とはいえ、流れ自体は弁護士が代理して行う訴訟手続きと大きくは変わりません。ただし、書面作成や証拠準備、法廷での主張立証をすべて自分で行う必要があります。

  1. 訴状の作成

    • 原告の場合、裁判所に提出する訴状を作成します。訴訟の目的・請求の趣旨と理由などを明確に記載。

    • 被告の場合、定められた期日までに必ず、答弁書を作成し提出します。この答弁書等を提出せずに無視すると、最悪の場合、自動的に敗訴する可能性がありますので要注意です。

  2. 裁判所への提出

    • 訴状や答弁書を裁判所に提出し、訴訟を正式に提起又は主張をします。

    • 必要な収入印紙や予納切手などを準備しましょう。(原告のみ)

  3. 第1回口頭弁論または弁論準備手続き

    • 実際に裁判官や相手方と法廷で向き合う初回期日です。

    • 主張や証拠を整理しつつ、争点を絞り込んでいきます。

  4. 証拠提出・証人尋問

    • 必要に応じて、契約書や領収書などの書類証拠、証人尋問を行います。

    • 主張を裏付ける証拠を適切に提示することが勝敗を分けます。

  5. 判決または和解

    • 双方の主張・立証が出そろえば、裁判所が判決を下すか、和解が成立するケースもあります。

    • 事案によっては裁判は非常に長期になるため、根気が必要です。


4.本人訴訟のメリットデメリット

(1)メリット

①費用が抑えられる

弁護士費用の負担が軽減される。

②自分の言葉で主張できる

自分が納得いくまで訴訟に取り組むことが可能。

③訴訟手続きを学べる

法律に関する知識が身に付き、今後のトラブル対処に応用できる。

(2)デメリット

①専門知識が必要

民事訴訟法や手続きに関する知識を自力で学ぶ必要がある。

②時間と労力がかかる

書面作成・証拠の収集など、すべてを自分で行うため負担が大きい。

③不利になる可能性がある

法廷では法律の専門家(弁護士)と対峙することも多く、戦略面や知識では後手に回る可能性が極めて高いです。


5.本人訴訟を成功させるポイント

(1)徹底した情報収集

日本の裁判所はとても親切で、場合によっては分かりやすく丁寧に進行をしてくれる裁判官も多いです。仮に戦略面や知識で後手に回ったとしても、次回期日まで1ヶ月ほどは猶予があるので、その間で徹底的な情報収集をすれば問題ありません。具体的には、法廷では法律的な論点が争われるため、関連する判例や法令も把握する必要があります。本やインターネット、法テラスの無料相談などを活用して情報を収集しましょう。

(2)主張整理と証拠の整備

どんな事実関係を証明したいか」「どの証拠が必要か」を明確にし、書面作成や証拠リストの整理を怠らないようにします。証拠書類に抜け漏れがあると、裁判の結果が大きく変わる可能性もあります。

(3)時間管理とメンタルケア

本人訴訟は時間も労力もかかるため、スケジュール管理やメンタルケアが重要です。裁判手続きが長引けばストレスも増大するので、適度な休息やリフレッシュを心がけましょう。


弁護士

6.専門家への相談も検討すべき?

本人訴訟はあくまで自分で行う裁判手続きですが、途中で弁護士に助言を求めることや、要所で専門家のチェックを受けるのも有効な方法です。また、案件の複雑さや相手方の主張内容次第では、**「途中から弁護士に依頼する」**という柔軟な選択肢を取る方も少なくありません。但し、途中で弁護士に頼る恐れがあるなら、最初から弁護士に頼ることを強くオススメします。


  • 無料相談の活用

    法テラスや自治体の法律相談、弁護士会の無料相談などをうまく利用し、初期段階で方向性を確認する。

  • 分割払い・法テラスの費用立替

    経済的に厳しくても、法テラスの立替制度を利用できる場合があるため、諦める前に一度情報収集してみる。


※これは主観ですが、やはり無料相談の弁護士は頼り甲斐に欠け、場合によっては自分でやった方が良い事も少なくありません。また、形式的な会話しかできないため、有意義な助言等を得られる可能性も低く、現実的に、ChatGPTなどの高性能AIに課金し相談した方がいくらも効率的です。



7.本人訴訟は自分の権利を守るための選択肢

本人訴訟とは

「弁護士を頼らず自分自身で裁判に挑む方法」です。費用が大幅に抑えられ、納得のいく主張ができる一方で、法的知識や手続きの習得が必須であり、負担も大きいのが現実です。とはいえ、資金的・心理的理由などから弁護士に依頼できない場合や、自分で納得のいくまで闘ってみたいという方にとって、本人訴訟は重要な選択肢となり得ます。ただし、いざ法廷に立つ際には相応の準備と戦略が求められるため、事前に十分な情報収集と計画を立てることが不可欠です。


免責事項

本記事は「本人訴訟とは?」という一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対して法的助言を行うものではありません。具体的なケースに応じた詳細なアドバイスが必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。


 

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日本で同じく本人訴訟をしている、していた方だけを集め、情報交換や戦略会議を予定しています。ゆくゆくは、日弁連に匹敵するほどの組織にしたいと思っております。弁護士ではない事が必ずしもデメリットにならず、社会的弱者が強者を喰う構図を増やし、より公正な社会、社会正義の実現を促進させるのが当連合の使命です。



 
 
 

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