「人間はどこまで長生きできるのか?」
この問いに対する答えを科学的に探るため、「XPRIZE Healthspan(Xプライズ ヘルススパン)」 という巨大コンテストが開催されています。このコンテストは、*7年間で1億100万ドル(約150億円)*という巨額の賞金をかけて、人間の老化を遅らせ、健康寿命を延ばすための技術開発を競うものです。世界中の科学者や企業が参加し、2030年までに65歳から80歳の人の筋肉、認知、免疫機能を少なくとも10年分以上、回復させるような介入方法の開発に成功することや技術を目標に、医療やバイオテクノロジーの最先端研究が進められています。
今回は、このコンテストの概要や参加を表明している日本企業2社をピックアップし、彼らのユニークな挑戦を紹介します。

目次
XPRIZE Healthspanとは?
サウジアラビアに本部を置く非営利団体、Xプライズ財団が主催しており、XPRIZE Healthspanは、人間の老化に革命を起こすことを目的とした国際的なコンペティションです。公式サイトによると、以下のような目標を掲げています。
✅ 健康寿命(Healthspan)を延ばす
✅ 慢性疾患の管理を改善する
✅ 老化プロセスを遅らせる新技術を開発する
✅ 生活の質(QOL)を向上させる
このコンテストには、日本を含めた世界各国の企業・研究機関・スタートアップが参加を表明しており、2026年までに参加チームを絞り込み、2030年に最終決勝が行われる予定です。
注目の日本企業①:スペースシードホールディングス
(1)宇宙×老化研究で未来を変える
スペースシードホールディングスは、「SFをノンフィクションにする」というミッションのもと、発酵技術や不老長寿、宇宙実験(宇宙での細胞実験や培養実験等)に注力している日本企業です。
(2)宇宙と老化の関連性
実は、宇宙は地上に比べて老化が早く進むことが知られています。
🛰 宇宙での老化の特徴
✅ 筋肉が地上の倍の速さで衰える
✅ 骨密度の減少や視力・免疫力の低下が進む
✅ 宇宙放射線によるDNAダメージが蓄積しやすい
これらの現象を研究し、老化メカニズムの解明が進めば、地球上のアンチエイジング技術や医療分野にも応用できる可能性があります。
注目の日本企業②:M-Style Holdings
(1)アナツバメの巣に秘められた「シアリン酸」
もう一つの注目企業が、M-Style Holdings。彼らの研究テーマは、**「アナツバメの巣に含まれるシアリン酸の健康効果」**です。
(2)シアリン酸とは?
アナツバメの巣は、アジアで1,300年以上にわたって珍重されてきた食材。特に、含まれる「シアリン酸」が免疫力の向上や細胞修復に効果があるとされ、近年では医療や健康分野での活用が進められています。
(3)M-Style Holdingsの研究内容
🔹 シアリン酸が持つ老化防止・細胞修復作用の解明
🔹 シアリン酸を活用したサプリメントや食品の開発
🔹 アンチエイジング医療分野への応用
彼らはすでに、マレーシア・米国・台湾にも事業を展開し、世界中にシアリン酸の可能性を広げることを目指しています。
(4)期待される効果
✅ 免疫機能の向上 → 感染症や慢性疾患リスクの低減
✅ 抗酸化作用 → 細胞ダメージの抑制
✅ 細胞修復 → 若返り効果の可能性
XPRIZE Healthspanがもたらす未来
このコンテストが成功すれば、老化は遅らせるだけでなく、部分的に逆転できる技術が誕生する可能性もあります。私たちが想像していた「不老不死」はSFの世界だけでなく、現実に近づいているのかもしれません。
今後のスケジュール
2026年 → 400チームから40チームに絞られる
2030年 → 最終決勝&優勝チーム決定(賞金150億円)
この中で、日本企業がどこまで世界と戦えるのか、今後の展開に期待が集まります。
まとめ:不老不死はもう夢じゃない?
XPRIZE Healthspanは、単なる長寿ではなく、「健康で長生きする」ことを目指すコンテスト。日本からも宇宙×老化の研究を進めるスペースシードホールディングス、アナツバメの巣の力に着目するM-Style Holdingsなど、ユニークな挑戦が続いています。
「100歳でも元気で20歳の見た目」
「老化を克服する未来」
そんな世界が、XPRIZE Healthspanをきっかけに実現するかもしれません。
今後の動向に注目です!
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