困難に立ち向かい、跳ね返る力を育む為に

目次
1. レジリエンスとは簡単に
レジリエンスとは簡単に、困難やストレスに直面したときに、それを乗り越え、また元の状態に戻る、あるいはそれ以上に成長してしまう「跳ね返る力」のこと。失敗をしても立ち直り、前向きに新たな挑戦を始める力がレジリエンスです。
一言にすると『適応反発力』が相応しく、心理学では人生の厳しい状況に柔軟に対応するための大切な力とされています。
2. レジリエンスが必要な理由
私たちは日常生活の中で、予期せぬ出来事やストレス、時には大きな挫折に直面します。
失敗や困難は誰にでもある
失敗を経験すると、心が折れそうになることもありますが、レジリエンスがあれば、そこから学び、次に進むことができます。
ストレスの中でも自分らしく生きる
環境が変わったり、人間関係がうまくいかなかったりしても、レジリエンスがあれば心をしっかり保ち、前向きな姿勢で生活できるのです。
3. アメリカ心理学会が提唱する「レジリエンスを築く10の方法」
レジリエンスを高めるために、誰でも実践できるシンプルな方法がいくつか提案されています。以下はその具体例です。
親戚や友人との良好な関係を維持する
信頼できる人たちとのつながりは、心の支えとなります。
危機やストレスを耐え難い問題と捉えない
辛い状況も、一時的なものだと理解し、冷静に対処する心構えを持ちましょう。
変えられない状況を受け入れる
自分ではどうにもならないことは、無理に変えようとせず、まずは受け入れることが大切です。
現実的な目標を立て、それに向かって進む
小さな成功体験が積み重なると、自信につながります。
不利な状況でも決断し行動する
状況が悪くても、一歩踏み出す勇気が次の可能性を切り拓きます。
損失を出した闘いの後には自己発見の機会を探す
挫折を通じて、自分の強みや新たな可能性を見つけ出しましょう。
自信を深める
過去の成功や自分の努力を振り返り、自分を信じることが重要です。
長期的な視点を持ち、ストレスの多い出来事を広い視野で考える
今は苦しくても、時間が経てば全体像が見えてくるものです。
希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を具体的にイメージする
未来への明るいビジョンを描くことで、前向きなエネルギーが生まれます。
心と体をケアし、定期的な運動やリラックスを心がける
自分のニーズに気を配ることで、ストレスを上手にコントロールできます。
4. 自己啓発と実践プログラム
最近では、セルフヘルプの一環として、認知行動療法(CBT)や理性感情行動療法(REBT)の考え方を取り入れたプログラムも注目されています。たとえば、**Penn Resiliency Program(PRP)**は、グループで実践する介入プログラムとして、多くの研究で抑うつ症状を軽減する効果が確認されています。こうしたプログラムは、日常生活に取り入れやすい具体的な方法を提供し、誰もがレジリエンスを育む助けとなります。誰でも簡単に始められる実践法としては、以下があります。
(1)マインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想は、今この瞬間に意識を集中させ、雑念を払いのける方法です。日常のストレスを軽減し、心の平穏を保つ効果が期待できます。毎朝又は寝る前、隙間時間などに5~10分の瞑想タイムを設け、静かな場所で座り、呼吸に集中するだけでOK。多くの無料アプリやオンラインガイドが利用可能です。
(2)セルフジャーナリング
自分の感情や日々の出来事を書き留めることで、内省の時間を持ち、自己理解を深める手法です。毎日、日記やノートにその日の気持ちや出来事などを書く習慣をつける。これにより、ポジティブな思考が促進され、自己肯定感も高まります。
(3)ポジティブ心理学の実践
感謝の実践やポジティブな感情を意識的に育むことは、レジリエンスの向上につながります。毎日、感謝していることを3つリストアップする「感謝リスト」を作成したり、ポジティブなアファメーションを口に出す習慣を取り入れるなど、日常生活に取り入れやすい方法があります。

5. レジリエンス=「適応反発力」
レジリエンスとは、困難な状況に直面したときに柔軟に適応し、跳ね返る力のこと。私たちは、誰しもがこの力を内包しており、日々の実践や周囲との関係を大切にすることで、より強く前向きに生きることができます。アメリカ心理学会が提唱する10の方法や初心者でも始められる3つの方法を参考に、身近なところから自分のレジリエンスを育む工夫をしてみましょう。そうすることで、たとえ困難が訪れても、自分らしく生き抜く力『適応反発力』を手に入れることができるはずです。
この記事が、日常のストレスや困難に直面している皆さんが、自分自身を守り、さらに成長する一助となれば幸いです。
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