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執筆者の写真UR

トケイソウの魅力:観賞や食用以外にも活用できる神秘的な植物

ブラジル原産のつる性植物、トケイソウ。それはまるで時計の文字盤のような、精巧で美しい花を咲かせる植物。その神秘的な魅力と多様な活用法は多くの園芸愛好家を魅了しています。今回は、そんなトケイソウの魅力を余すところなくご紹介します。


トケイソウの花

目次



まるで芸術作品のようなトケイソウの花

トケイソウ最大の魅力は、何と言ってもその美しい花。複雑な構造と鮮やかな色彩は自然が生み出した芸術作品と言えるでしょう。


  • 時計のような花の形:5枚の花弁と萼片、そして中心から放射状に伸びる副花冠。その姿はまさに時計の文字盤を思わせます。

  • 多様な色彩:白、紫、赤、ピンク、黄色など、品種によって様々な色合いを楽しめます。中には、複数の色が織りなすグラデーションが美しいものも。

  • 開花期間:春から秋にかけて、長い期間花を楽しむことができます。品種によっては冬にも開花するものも。

  • 香り:一部の品種は芳しい香りを放ちます。リラックス効果や安眠効果も期待できます。


トケイソウの名前に秘められた物語

そんな芸術的な花が「トケイソウ」と呼ばれるようになったのは、16世紀に南米を訪れたスペインの宣教師たちによるものです。彼らはこの花の形をキリストの受難になぞらえ、「受難の花(Passion flower)」と名付けました。


  • 副花冠:十字架上のキリストの茨の冠

  • 3つに分かれた雌しべ:キリストを磔にした釘

  • 5枚の花弁と萼片:キリストの10人の使徒(裏切り者のユダとペテロを除く)

  • 巻きひげ:キリストを縛った鞭


その後日本に伝わった際に、その特徴的な形から「時計草」と呼ばれるように。このようにトケイソウの名前には、キリスト教の信仰と花の形を時計に見立てた日本人の感性が融合した、深い歴史と物語が刻まれています。


赤いトケイソウ
パッションフルーツ

観賞用だけじゃない!多様なトケイソウの魅力

トケイソウはその美しい花を楽しむだけでなく、様々な方法で活用できます。


  • グリーンカーテン:つる性の性質を活かして、グリーンカーテンに仕立てることができます。夏の強い日差しを遮り涼しい空間を作り出すだけでなく、美しい花が壁面を彩ります。

  • 目隠し:フェンスやトレリスに絡ませることでプライバシーを守りつつ、おしゃれな空間を演出できます。

  • あんどん仕立て:あんどん仕立てにすることで、花を立体的に鑑賞することができます。鉢植えでも楽しめるので、ベランダや室内での栽培にもおすすめです。

  • 食用:一部の品種は「パッションフルーツ」と呼ばれる果実をつけます。甘酸っぱい風味と香りが特徴でジュースやジャム、デザートなどに利用されます。

  • 薬用:ハーブとして利用される品種は一般的に「パッションフラワー」と呼ばれ、鎮静作用や抗不安作用があるとされています。




初心者にも優しいトケイソウの栽培方法

トケイソウは初心者でも気軽に挑戦できる、比較的育てやすい植物です。その旺盛な生命力と美しい花はあなたのガーデニングライフを豊かに彩ってくれるでしょう。


  • 日当たりと水はけ:太陽の光と風通しの良い環境を

トケイソウは太陽の光を浴びて元気に育つ植物です。日当たりの良い場所を選び、少なくとも1日6時間以上は日光に当ててあげましょう。また、風通しの良い場所を選ぶことも大切です。土壌は水はけの良い赤玉土や腐葉土を混ぜた培養土がおすすめです。鉢植えの場合は、鉢底に軽石や鉢底ネットを敷いて、水はけを良くしましょう。


  • 水やり:土の表面が乾いたらたっぷりと

トケイソウは乾燥には強くありません。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。特に夏場は水切れを起こしやすいので、注意が必要です。ただし、過湿も根腐れの原因になるので、鉢植えの場合は受け皿に水が溜まらないように注意しましょう。


  • 肥料:生育期に緩効性肥料を

トケイソウは生育期(4月〜10月頃)に多くの栄養を必要とします。月に1回程度、緩効性肥料を株元に施しましょう。液体肥料の場合は10日に1回程度、薄めたものを与えます。冬は生育が緩慢になるので肥料は控えめに。


  • 剪定:美しい樹形を保つために

トケイソウはつるがよく伸びるため、定期的な剪定が必要です。花後や冬に伸びすぎたつるや枯れた枝を切り取り、樹形を整えましょう。剪定することで風通しを良くし、病害虫の発生を防ぐ効果もあります。


  • 増やし方:種まきと挿し木で

トケイソウは種まきや挿し木で簡単に増やすことができます。種まきは春に行い、発芽温度は20℃〜25℃です。挿し木は春または秋に元気なつるを切り取って行います。


  • 冬越し:品種によって対策を

トケイソウは熱帯地域の植物ですが、品種によっては耐寒性が強く屋外での冬越しも可能です。耐寒性品種のトケイソウはマイナス15℃程度まで耐えることができます。非耐寒性品種は冬は室内で管理する必要があります。


  • 病害虫対策:早期発見・早期対処を

トケイソウはアブラムシやハダニなどの被害を受けることがあります。定期的に葉の裏などをチェックし、早期発見・早期対処を心がけましょう。


これらのポイントを押さえれば、初心者でも美しいトケイソウを育てることができます。ぜひ、あなたもトケイソウ栽培に挑戦し、その魅力を存分に楽しんでください。

トケイソウの神秘的な花

トケイソウの魅力まとめ

トケイソウはその美しい花と多様な活用法で、私たちの生活を豊かに彩ってくれる植物です。初心者にも育てやすく、グリーンカーテンや目隠しなど、様々なシーンで活躍します。


ぜひ、あなたの庭やベランダにも、トケイソウを植えてその神秘的な魅力に触れてみてはいかがでしょうか?


 


トケイソウ、パッションフラワー、パッションフルーツの関係は少し複雑ですが、以下のようになります。


  • トケイソウ:トケイソウ科トケイソウ属の植物全体の総称。つまり、パッションフラワーもパッションフルーツも、広い意味では「トケイソウ」の一種ということになります。

  • パッションフラワー:トケイソウの中でも、特に花を観賞するために栽培される品種を指すことが多いです。美しい花と独特な形状が特徴で園芸愛好家に人気があります。

  • パッションフルーツ:トケイソウの中でも食用となる果実をつける品種を指します。甘酸っぱい風味と香りが特徴でジュースやジャム、デザートなどに利用されます。

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