テストステロンとは?男性も女性にも不可欠なホルモン
- UR
- 3月28日
- 読了時間: 6分
テストステロンは、しばしば主要な「男性ホルモン」と呼ばれますが、その重要性はそれをはるかに超えています。この重要なホルモンは、男性と女性両方の健康と幸福に不可欠な役割を果たしており、筋肉や骨の健康から気分、性的欲求に至るまで、あらゆるものに影響を与えています。
この記事では、テストステロンについて、それが何であるか、どのように作られるか、男女それぞれにおける機能、レベルがどのように調節されているか、そして少なすぎたり多すぎたりした場合の影響などを分かりやすく解説します。

目次
テストステロンとは?
テストステロンはステロイドホルモンの一種で、コレステロールから作られます。主に男性的な特徴の発達に関与するアンドロゲンと呼ばれるホルモングループに属す。体内の重要なメッセンジャー分子と考えてください。(詳細な化学的分類は複雑であり、一般的な理解には不要)。
テストステロンはどこで作られる?
テストステロンの生成には、脳と性腺(生殖器官)の連携プレーが関わっており、これは視床下部-下垂体-性腺 (HPG) 軸と呼ばれます。
脳がプロセスを開始:脳にある視床下部が信号(GnRH)を送ります。
下垂体が応答:この信号を受け取った下垂体(これも脳の一部)が、2つの重要なホルモン、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)を放出します。
性腺が活動開始:
男性の場合
LHは精巣に移動し、特定の細胞(ライディッヒ細胞)にテストステロンを作るよう指示します。FSHは精子の生産を助けます。
女性の場合
LHは卵巣にアンドロゲン(テストステロンの前駆体)を作るよう信号を送ります。副腎(腎臓の近くにある)も前駆体ホルモンを作ります。テストステロンは、卵巣、副腎、その他の組織で少量作られます。女性のテストステロンレベルは、男性より自然にはるかに低いです。レベルは通常20代でピークに達し、年齢とともに低下し、閉経後に大幅に減少します。
レベルを適正に保つ(フィードバック機構):体には賢いシステムがあります。テストステロンレベルが高くなりすぎると、脳(視床下部と下垂体)に信号が送られ、GnRHとLHの放出が抑制されます。これにより、テストステロンの生産が遅くなりバランスが保たれます。このネガティブフィードバックがホルモンバランスの維持に役立っています。
テストステロンの男性における働き
テストステロンは、男性の生涯を通じた発達と健康に不可欠です。
出生前:男性の生殖器官(精巣、前立腺)の形成に不可欠です。
思春期:第二次性徴の発現を引き起こします。
筋肉量と筋力の増加
顔や体の毛の成長
声変わり(声が低くなる)
陰茎と精巣の肥大
性欲(リビドー)の亢進
筋肉量と筋力:主要な**アナボリック(筋肉増強)**ホルモンとして作用し、筋肉の成長を促進し、分解を防ぎます。
骨の健康:骨の成長を刺激し、骨密度を維持するのを助け、骨粗鬆症のリスクを低減します。
性欲と性機能:性的欲求を駆動し、勃起の達成と維持に役割を果たします。
精子の生産:精子を作り、男性の妊よう性(妊娠させる能力)を維持するために(FSHと共に)絶対に必要です。
テストステロンの女性における働き
量は少ないものの、テストステロンは女性の健康にも不可欠です。
性欲:女性の性的欲求と性的満足度に重要な役割を果たします。
骨の健康:骨密度を維持し、骨粗鬆症から保護するのを助けます。
筋肉量と筋力:筋肉の発達と維持に貢献します。
全体的な幸福感:気分、エネルギーレベル、認知機能に影響を与えます。
エストロゲンの生成:テストステロンは、主要な女性ホルモンであるエストロゲンに変換されることがあります。

テストステロンレベルの調整
前述のように、HPG軸とフィードバック機構が主な制御システムです。しかし、他のいくつかの要因もレベルに影響を与える可能性があります。
年齢
男女ともに年齢とともにレベルは自然に低下します(男性では40歳頃から、女性では閉経までより緩やかに)。
ストレス
慢性的なストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)を増加させ、テストステロンの生産を妨げる可能性があります。
生活習慣
運動:定期的な運動、特に筋力トレーニングはレベルを高める可能性があります(主に男性で研究)。
食事:十分なタンパク質、健康的な脂質、亜鉛やビタミンDなどの栄養素を含むバランスの取れた食事が重要です。非常に低脂肪の食事はレベルを低下させる可能性があります。
睡眠:十分な睡眠はホルモン調節に不可欠です。
体重:大幅な低体重または過体重はホルモンバランスを乱す可能性があります。
アルコール/薬物:過度のアルコール摂取や特定の薬物はレベルに悪影響を与える可能性があります。
テストステロンが低いとどうなる?
テストステロンレベルが低すぎると、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
男性の場合
性欲減退(リビドー低下)
勃起不全(ED)
疲労感、エネルギー不足
筋肉量と筋力の低下
体脂肪の増加
気分の変化(うつ病、イライラ感)
体毛やひげの喪失
精巣サイズの縮小
ホットフラッシュ(ほてり)
精子数の減少(不妊症)
骨密度の低下(骨粗鬆症リスク)
集中困難
女性の場合
性欲減退(リビドー低下)
疲労感、エネルギー不足
筋力低下
気分の変化(うつ病、不安)
不規則な月経または無月経
膣の乾燥
妊よう性の問題
骨密度の低下(骨粗鬆症リスク)
テストステロンが高すぎてもだめ?
テストステロンレベルが高すぎる場合も問題を引き起こす可能性があります。
男性の場合:(低テストステロンほど一般的ではない)
にきび、脂性肌
男性型脱毛症(薄毛)
筋肉量の増加
気分のむら、攻撃性の亢進
特定の前立腺の問題との関連の可能性(関係は複雑)
精子数の減少(外部からのテストステロン使用による場合)
女性の場合:(PCOSなどの状態と関連することが多い)
にきび、脂性肌
顔や体の毛が濃くなる(多毛症)
不規則な月経または無月経
声が低くなる
頭髪の薄毛
クリトリスの肥大
筋肉量の増加
不妊症
テストステロンレベルの測り方とまとめ
血液検査
標準的な方法です。血液中の総テストステロン(血液中のすべてのテストステロン)と、場合によっては遊離テストステロン(タンパク質に結合していない活性型)を測定します。
測定時間が重要
レベルは通常午前中に最も高くなるため、血液検査は午前中に行われることが多いです。女性では、月経周期によってもレベルは変動します。
結果の解釈
正常範囲は性別、年齢、検査機関によって大きく異なります。結果は、あなたの症状や全体的な健康状態を考慮して、医療専門家によって解釈される必要があります。
一般的な成人範囲(おおよその目安、医師にご相談ください)
男性:300 - 1000 ng/dL
女性:15 - 70 ng/dL
他にも、毛髪テストステロン検査キットも販売されています。
まとめると、テストステロンは性的発達、筋骨格系の健康、気分、活力など、男性と女性の多くの機能に不可欠な強力なホルモンです。その生成は厳密に調節されていますが、レベルは年齢、ストレス、生活習慣によって影響を受けます。テストステロンレベルが低すぎても高すぎても、重大な症状や健康問題を引き起こす可能性があります。ご自身のテストステロンレベルについて懸念がある場合や、関連する症状がある場合は、正確な診断と適切な管理のために医療専門家に相談することが不可欠です。
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