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執筆者の写真Ruck D Ruther

サプリメントの健康被害:消費者が見るべきポイント

サプリメント製造工場 男性と女性

大手企業の不祥事から学ぶ教訓

2024年5月、誰もが知る大手製薬会社である小林製薬が機能性表示食品「紅麹」を含む複数の製品において、健康被害の報告が相次いだことを受け自主回収を発表しました。この事件は、サプリメント業界、そして日本社会全体に大きな衝撃を与えました。

紅麹 原料

「紅麹」は、LDL(悪玉)コレステロールを下げる効果を謳っており、多くの人に愛用されていましたが、摂取後に腎臓の病気などを発症するケースが報告され問題となりました。健康食品やサプリメントは医薬品と異なり、その効果や安全性が厳密に保証されているわけではありません。しかし、大手企業の製品であれば、品質管理が徹底されていると信じて疑わない消費者も少なくありません。今回の小林製薬のケースは、そうした信頼が必ずしも保証されないという現実を突きつけました。

小林製薬の詳細

  • 売上高:2023年3月期の連結売上高は3865億円と、国内製薬会社の中でも上位に位置します。

  • 従業員数:連結従業員数は約4600人です。

  • 事業内容:医薬品、医療機器、衛生用品、芳香消臭剤、スキンケア用品、栄養補助食品など、幅広いヘルスケア製品を製造・販売しています。

  • 知名度:「熱さまシート」「のどぬーるスプレー」「サラサーティ」など、誰もが知る有名商品を多数保有しています。


小林製薬は1886年に創業された歴史ある企業であり、長年にわたって日本のヘルスケア市場を牽引してきました。その高いブランド力と信頼性から、多くの人々に支持されています


大手だから安心?日本社会の闇

この事件は、日本の企業文化や社会構造における問題点を浮き彫りにしたとも言えます。


  • 過度な成果主義:企業が短期的な利益を追求するあまり、品質管理や安全対策がおろそかになるケースがあります。

  • 隠蔽体質:問題が発覚した場合、企業が保身のために情報を隠蔽したり責任を転嫁したりする傾向があります。

  • 規制の不備:健康食品やサプリメントに関する規制が医薬品に比べて緩いという問題もあります。

これらの問題が複合的に作用し今回の健康被害を引き起こした可能性も否定できません。今回の事件は、大手企業だからといって安心してはいけないという教訓を私たちに与えました。企業の規模やブランド力に惑わされることなく、製品の安全性や品質に関する情報を自ら収集し判断する必要があります。


紅麹 菌イメージ

サプリメントの健康被害に合わないために

では、私たちはどのようにしてサプリメントの健康被害から身を守れば良いのでしょうか?以下に、いくつかの対策をご紹介します。


  1. 情報収集:サプリメントを選ぶ際は、信頼できる情報源から情報収集を行いましょう。厚生労働省や国民生活センターなどの公的機関のウェブサイト、専門家の意見、消費者レビューなどを参考にすると良いでしょう。

  2. 成分表示の確認:サプリメントの成分表示を必ず確認しアレルギー物質や医薬品との相互作用がないか確認しましょう。

  3. 用法・用量の遵守:サプリメントは用法・用量を守って正しく摂取しましょう。過剰摂取は健康被害を引き起こす可能性があります。

  4. 体調の変化に注意:サプリメントを摂取して体調に異変を感じたらすぐに摂取を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。

  5. 信頼できるメーカーを選ぶ:GMP認証を取得しているメーカーや、機能性表示食品を販売しているメーカーなど、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。

  6. 持病や服用薬がある場合は医師に相談:持病がある方や現在薬を服用している方は、必ず医師に相談してからサプリメントを摂取するようにしましょう。


今回問題となった小林製薬の紅麹製品については、最終製品の錠剤を製造していた岐阜県の協力会社の工場はGMP認証を取得していました。しかし、問題となったのは、紅麹の原料を製造していた小林製薬自身の大阪工場です。この工場はGMP認証を取得しておらず、厚生労働省の調査でも紅麹菌を培養する段階で青カビが混入したと推定されています。


つまり、最終製品の製造工程はGMP認証を取得した工場で行われていたものの、原料の製造段階ではGMPに準拠した品質管理が行われていなかったことが、今回の健康被害につながった可能性が高いと考えられています。この問題を受け、政府は機能性表示食品制度の見直しに着手し、サプリメント形状の製品についてもGMP認証の取得を義務付ける方針を固めました。これにより今後、サプリメントの原料製造段階においてもより厳格な品質管理が求められることになります。


画期的な方法で情報収集をするおばあちゃん

消費者としてできること

消費者として私たちが出来る事は、まず正しい知識を身につけることです。サプリメントの効果やリスクについて学び賢く選択することが大切です。また、問題のある製品を発見した場合は、メーカーや消費者庁、国民生活センターに報告することも重要です。消費者の声がより安全なサプリメント市場の形成に繋がります。


更に、日々の体調管理も欠かせません。サプリメントを摂取する前と後で自身の体調の変化を記録し、何か異変を感じたらすぐに摂取を中止し医師や薬剤師に相談しましょう。また、家族や友人、地域コミュニティなど、信頼できる人に相談することも大切です。自分だけで抱え込まず、悩みや不安を共有することで、新たな情報や解決策が見つかるかもしれません。公的機関への相談はハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、専門家によるアドバイスは非常に貴重です。一人で悩まず、積極的に相談窓口を活用しましょう。周囲とのコミュニケーションを通じて、サプリメントに関する情報を交換したり、体験談を共有したりすることも有効です。そうすることで、より安全で効果的なサプリメントの利用法を見つけることができるかもしれません。


コミュニケーションの大切さ

私たち一人ひとりが意識を高め、行動する事が大切です。サプリメントは正しく利用すれば健康維持に役立つツールですが、安易に信用せず常に注意が必要です。今回の小林製薬の事例を教訓として、消費者一人ひとりが意識を高め安全で安心して利用できるサプリメント市場を共に作り上げていくことが大切だと示唆しています。


 

よくある質問

Q1: サプリメントを選ぶ際に注意すべきことは何ですか?

A1: 信頼できるメーカーの製品を選ぶ、成分表示をよく確認する、用法・用量を守る、体調の変化に注意する、持病や服用薬がある場合は医師に相談する、などの点に注意しましょう。

Q2: サプリメントの過剰摂取はなぜ危険なのですか?

A2: サプリメントの過剰摂取は、吐き気や下痢などの消化器症状を引き起こしたり、肝臓や腎臓に負担をかけたりする可能性があります。特に脂溶性ビタミンは過剰摂取に注意が必要です。

Q3: 機能性表示食品とは何ですか?

A3: 機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示することができる食品です。消費者庁への届け出が必要で、安全性や機能性の審査が行われます。

Q4: サプリメントに関する信頼できる情報源はどこですか?

A4: 厚生労働省や国民生活センターなどの公的機関のウェブサイト、専門家の意見、信頼できる情報サイトなどが参考になります。

Q5: サプリメントで健康被害にあった場合はどうすればいいですか?

A5: サプリメント摂取後に体調に異変を感じたら、すぐに摂取を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。また、消費者庁や国民生活センターに通報することも重要です。

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