ストレス、ストレス、ストレス、まさにストレスの連続。ストレスで出来たような現代社会。そんな様々なストレスが私たちの心身を蝕み、私たちのパフォーマンスを低下させています。そこで注目したいのが、ストレス対策として古来より受け継がれている古代インド伝統医学、アーユルヴェーダでも重宝されてきた天然ハーブ「アシュワガンダ」です。
アシュワガンダはストレスホルモンの分泌を抑え、心身のバランスを整える効果があるとして、ストレス社会を生き抜く現代人にとって再び期待に包まれています。本記事では、アシュワガンダの効果の一つ、「ストレス軽減」メカニズムに焦点を当て、科学的根拠に基づいて解説、効果的な摂取方法や注意点までもご紹介します。
目次
ストレス社会に生きる現代人の悩み
日々降り注ぐストレスは、私たちの心身に様々な悪影響を及ぼします。
精神面:不安、イライラ、集中力の低下、うつ病など
身体面:睡眠障害、頭痛、肩こり、胃腸障害、免疫力低下など
これらの症状はストレスによって分泌されるコルチゾールなどのストレスホルモンや、自律神経の乱れが原因の可能性があります。
コルチゾールは、ストレスを感じると分泌される代表的なストレスホルモンです。本来は血糖値を上げてエネルギーを供給し、身体を危機から守るために働きます。しかし、ストレスが慢性化するとコルチゾールの分泌量が増えすぎて、様々な悪影響を引き起こします。
免疫力の低下や睡眠障害、高血圧・糖尿病のリスクを高めるだけでなく、心の健康にも影響しうつ病や不安障害を引き起こすこともあります。コルチゾールは適量であれば身体にとって必要なホルモンですが、過剰分泌は避けたいものです。適度な運動、十分な睡眠、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを軽減する生活が欠かせません。しかし、生活習慣が大切なことは分かっていても、日々の習慣を変えたりストレスマネジメントをするのは容易なことではありません。そこで注目したいのが「自然の力」であり、古代叡智が詰まった天然ハーブ、アシュワガンダです。
アシュワガンダとは?
アシュワガンダ(Withania somnifera)はナス科の植物でインドやスリランカなどの地域に自生しています。アーユルヴェーダでは滋養強壮、若返り、ストレス軽減などの目的で使用されてきました。アシュワガンダは「アダプトゲン」と呼ばれるハーブの一種です。このアダプトゲンとは、ストレスへの適応能力を高める効果を持つハーブの総称で、心身に様々な良い影響を与えるとされています。
アシュワガンダの主な有効成分は、ウィザフェリンA、ウィザノライドなどの「ウィタノリド」と呼ばれる化合物群です。これらの成分がアシュワガンダの様々な効果の源となっています。
アシュワガンダのストレス軽減効果
アシュワガンダは以下のメカニズムでストレスを軽減すると考えられています。
ストレスホルモンの減少
アシュワガンダはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制する効果があります。先述した通り、コルチゾールはストレス反応を引き起こすホルモンであり、過剰に分泌されると心身に様々な悪影響を及ぼします。アシュワガンダを摂取することで、コルチゾールの分泌が抑えられストレス反応が緩和されることが分かっています。他にも、
抗酸化作用
アシュワガンダには強力な抗酸化作用があります。ストレスは体内で活性酸素を発生させ、細胞を傷つけます。アシュワガンダの抗酸化作用は、活性酸素によるダメージから細胞を守りストレスによる老化を予防する効果が期待できます。
睡眠の質改善
アシュワガンダは間接的に睡眠の質を改善する効果もあります。ストレスは不眠症を引き起こす原因の一つですが、アシュワガンダによるリラックス効果や抗不安作用により、質の良い睡眠を促すとされています。
精神安定作用
アシュワガンダには不安や抑うつ症状を改善する効果も期待されています。これは、アシュワガンダが脳内の神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)受容体に作用し、神経の興奮を抑えるためと考えられています。
アシュワガンダの作用メカニズム
アシュワガンダのストレス軽減効果は、主に以下3つのメカニズムによって説明されます。
HPA軸への作用
HPA軸(視床下部-下垂体-副腎軸)は、ストレス反応を制御する重要なシステムです。ストレスを受けるとHPA軸が活性化しコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。アシュワガンダはHPA軸の活動を抑制することで、コルチゾールの分泌を抑えストレス反応を緩和すると考えられています。
神経伝達物質への影響
アシュワガンダは脳内の神経伝達物質であるGABA受容体に作用し、神経の興奮を抑える効果があります。また、セロトニンの分泌を促進する効果も報告されており、これらの作用により不安や抑うつ症状を改善する効果が期待できます。
抗酸化作用のメカニズム
アシュワガンダに含まれるウィタノリドは強力な抗酸化作用を持ちます。これらの成分は体内の活性酸素を除去し細胞を保護することで、ストレスによるダメージを軽減すると考えられています。
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アシュワガンダの摂取方法と注意点
アシュワガンダは様々な形で摂取することができます。
アシュワガンダ サプリメント
最も一般的な摂取方法です。錠剤、カプセル、オイルなど、様々な形状があります。手軽に摂取できるのがメリットですが、品質や含有量に注意が必要です。信頼できるメーカーの製品を選び、成分表示をよく確認しましょう。
アシュワガンダ 粉末
アシュワガンダの根を乾燥させて粉末にしたものです。スムージーやヨーグルトに混ぜたり、料理に加えたりして摂取できます。粉末はサプリメントよりも自然な形で摂取できるのがメリットですが、独特の風味があるため、苦手な方もいるかもしれません。
摂取量とタイミング
アシュワガンダの1日の摂取量の目安は、300mg〜600mgとされています。ただし、個人差があるため最初は少量から始め、体調を見ながら徐々に増やしていくのが良いでしょう。摂取タイミングは特に決まりはありませんが、リラックス効果や睡眠改善効果を期待する場合は、就寝前に摂取するのがおすすめです。
副作用と注意点
アシュワガンダは一般的に安全性の高いハーブですが、過剰摂取は腹痛や下痢などの消化器系の不調を引き起こす可能性があります。また、妊娠中や授乳中の方、甲状腺疾患のある方や自己免疫疾患のある方は、摂取前に医師に相談しましょう。
アシュワガンダでストレスに負けない心身を
アシュワガンダはストレス社会を生き抜くための強力な味方です。ストレスホルモンの分泌を抑え心身のバランスを整えることで、ストレスに負けない体作り・心身をサポートしてくれます。
ストレスを感じやすい方、睡眠不足や不安感にお悩みの方は、ぜひアシュワガンダを試してみてはいかがでしょうか?
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