top of page

​次世代ブログ

その取引大丈夫?無権代理を分かりやすく徹底解説!

執筆者の写真: URUR

無権代理とは、代理権を有しない者が本人を代表して法律行為を行う場合を指します。原則として、本人がその行為を追認しなければ、その法律行為は本人に効力を及ぼしません。これは、代理制度における本人の意思決定の尊重および第三者の信頼保護の観点から定められており、民法上の原則として位置づけられています。つまり、無権代理による契約は、本人の追認がなければ原則として無効または本人に対抗できない形となります。


無権代理人の契約場面

目次



1. 無権代理が問題となるケース

(1) 本人の追認がなされない場合

代理人が無権代理の行為を行い、第三者と契約を締結した際、後に本人がその行為を追認しなければ、契約の効力が発生しません。これにより、第三者が被害を受ける可能性があり、取引の安全性が損なわれるという問題があります。

(2) 第三者の善意信頼と保護

取引相手が代理人に対して代理権があると信頼して契約を締結していた場合、たとえ代理人が実際には権限を有していなくても、第三者の信頼保護の観点から一定の効果が認められる場合があります。しかし、本人側から追認がされなかった場合、紛争の原因となり、結果的に裁判などの法的手続きに発展するリスクがあります。

(3) 代理人の故意または過失

代理人自身が代理権を有していると誤認して行為を行った場合(過失)や、故意に代理権を超えた行為を行った場合、本人との間で損害賠償請求やその他の民事責任問題に発展する可能性があります。特に故意の場合、第三者との間で詐欺的要素が含まれることもあり、民事だけでなく刑事問題に発展するおそれもあります。


2. 無権代理の具体例

(1) 不動産売買における無権代理

たとえば、不動産売買の現場で、売主の代理人と見なして契約書に署名した者が、実は正式な委任状を持っていなかった場合を考えます。第三者(買主)は代理人に正式な代理権があると信頼して契約を締結しますが、売主が後に追認しなければ契約は無効となり、買主が損害を被ることになります。

(2) 企業間取引におけるケース

企業内の担当者が、実際の委任範囲を超えた取引契約を締結した場合も無権代理の典型例です。たとえば、営業担当者が自己判断で高額な契約を締結したが、会社(本人)がその行為を追認しなかった場合、契約の有効性が争点となり、取引先との間で大きな紛争に発展するリスクがあります。

(3) 個人間の委任関係での例

家族や知人間で「代理」と称して金銭のやり取りや契約が行われた場合、実際には正式な代理権が与えられていなかったとすると、後になって本人がその取引を否認する可能性があります。これにより、第三者(取引相手)はその契約に基づく権利行使が困難となり、裁判等に発展するケースも考えられます。



3. 法的対応と解決策

(1) 追認制度の活用

本人が無権代理行為を後から追認することで、契約は初めて効力を生じます。したがって、代理行為が疑わしい場合には、本人との事前確認や追認を得ることが重要です。

(2) 代理権の明確な確認

取引前に、代理人の代理権の有無や範囲を文書等で確認することは、無権代理リスクを回避する上で最も有効な方法です。企業や個人間の取引においても、事前の確認プロセスの徹底が求められます。

(3) 第三者保護の原則と交渉の工夫

取引相手としては、代理権の有無について疑問がある場合、契約書に「代理権確認条項」を設ける、または委任状の写しなどの証拠を提出させることで、後のトラブルを未然に防ぐ努力が必要です。


家の売買契約


4. 無権代理まとめ

無権代理の問題は、代理人の権限の範囲が不明確な場合、または本人がその行為を追認しない場合に顕在化します。実務では、不動産取引や企業間契約、さらには個人間の委任関係において、代理権の不備が大きな紛争の原因となることが確認されており、適切な事前確認と追認制度の活用が不可欠です。これにより、第三者の信頼保護と本人の意思が尊重され、取引の安全性が確保されることとなります。


無権代理とは、文字通り「代理権が与えられていないにもかかわらず」、他人の代理人として契約などの法律行為を行う状態を指します。つまり、本人から正式な委任を受けていない者が、あたかも代理人であるかのように行動する場合のこと、無権代理は基本的に以下のような状況で発生します。

  • 正式な委任がない場合→ 代理関係そのものが成立していない状態

  • 与えられた代理権の範囲を超える行為の場合→ 代理人が自己判断で権限外の行為を行う

  • 虚偽の表示や詐欺的行為により代理人であるかのように装う場合→ 故意に第三者を誤認させる行為

  • 過去の慣行や信頼関係による誤認→ 第三者が合理的な理由で代理権があると信じた場合でも、実際には委任が終了している場合


これらのケースでは、本人が追認しない限り、無権代理による法律行為は原則として本人に効果を及ぼさず、無権代理人はその責任を負うことになります(民法113条~117条参照)。このような状況は、取引の安全性を確保するためにも、事前に代理権の有無や範囲を確認することの重要性を示しています。


 

参考


 
 
 

Comments


bottom of page