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​次世代ブログ

【オンラインゲーム危険性】子供を守るには?親が出来る安全対策のヒントと本質

  • 執筆者の写真: UR
    UR
  • 4月2日
  • 読了時間: 12分

「うちの子、オンラインゲームばかりやってるけど、大丈夫かしら…」「最近ニュースで見た、ゲームで知り合った人との事件…うちの子は大丈夫?」お子さんが小・中学生、高校生くらいになると、オンラインゲームに夢中になることも増えますよね。友達との交流や達成感を味わえる一方で、親としては心配な面も多いのではないでしょうか。


特に先日、愛知県で16歳の女子高校生がオンラインゲームで知り合った男性に会いに行き、命を落とすという、あまりにも痛ましい事件が大体的に報道され、不安を感じている親御さんも少なくないはずです。「やっぱりオンラインゲームは危険だから禁止すべき?」「でも、頭ごなしに叱っても、反抗期の子供には逆効果かも…」そうなんです。オンラインゲームには確かに様々な危険が潜んでいますが、一方的に「ゲームはダメ!」と取り上げてしまうだけでは、問題は解決しないどころか親子関係を悪化させ、子供をさらに見えない世界へと追いやってしまう可能性すらあります。


この記事では、まずオンラインゲームに潜む具体的な危険性を確認した上で、なぜ「禁止」だけではダメなのか、そして思春期の子供と向き合いながら、親として本当にできる安全対策とは何か、さらには、ゲームの問題の根底にあるかもしれない「家族関係」について、一緒に考えていきたいと思います。


オンラインゲーム危険性

目次


  1. なぜ起きた?オンラインゲームきっかけの悲劇

まず、多くの親御さんに衝撃を与えたであろう、愛知県一宮市で起きた事件について触れないわけにはいきません。4月1日の報道によると、東京都に住む16歳の女子高校生が、人気オンラインゲーム「フォートナイト」で知り合った21歳の男性に会うために愛知県へ行き、残念ながら遺体で発見されたという、あまりにも悲しい事件でした。容疑者の男性は、ゲーム上の口論が原因で殺害した旨の供述をしていると報じられています。(TBS)この事件は、オンラインという仮想空間での出会いやトラブルが、現実世界での深刻な暴力、そして命に関わる事態にまで発展してしまうという、オンラインゲームが持つリスクを改めて私たちに突きつけました。



しかし、ここで少し立ち止まって考えてみてほしいのです。この事件は、本当に「オンラインゲームだけ」が原因だったのでしょうか?報道によれば、被害者の少女は家族に「ゲームで知り合った人に会いに行く」と告げて家を出たとされています。16歳の高校生が、オンラインで知り合っただけの、しかも初対面の年上の男性に会うために、東京から愛知県まで一人で行き、相手の家に泊まる…。この状況自体に、大きな疑問符が付くのではないでしょうか?親として、その行動を軽々しく (軽率に) 許可できるでしょうか?私は絶対に許可しません。あるいは、子供が親に隠れて、嘘をついてまで、そのような危険な行動を取らざるを得なかった背景には、何があったのでしょうか?


この事件は、オンラインゲームの危険性と共に、現代の親子関係や家庭環境が抱える、より根深い問題をも私たちに問いかけているのかもしれません。


オンラインゲーム危険性

  1. あなたの子供も無関係じゃない!オンラインゲーム危険性7選

愛知県の事件は極端な例かもしれませんが、オンラインゲームには他にも様々な危険が潜んでいます。お子さんが巻き込まれる可能性もゼロではないため、代表的なものを確認しておきましょう。

  1. 高額課金

    「ガチャ」などに夢中になり、気づけば何十万円も課金していた…という最も多発するトラブル。特に親のスマホを使っている場合は要注意です。

  2. 詐欺

    レアアイテムやアカウントの売買を持ちかけられ、お金だけ騙し取られたり、個人情報を抜き取られたりする被害。

  3. 個人情報漏洩

    ゲームアカウントの登録情報が流出したり、安易に本名や学校名を教えてしまったりする危険性。

  4. 不適切な出会い

    年齢や性別を偽って近づいてくる大人による、性的な目的での誘い出し(グルーミング)や、実際に会ってからの性被害、誘拐のリスク。これが最も警戒すべき危険の一つです。

  5. ネットいじめ

    ゲーム内での暴言、嫌がらせ、仲間外れなど。匿名性が攻撃性を助長し、子供の心を深く傷つけます。

  6. ゲーム依存(ゲーム障害)

    ゲームにのめり込みすぎ、睡眠不足、学業不振、昼夜逆転、引きこもりなど、日常生活に深刻な支障をきたす状態。世界保健機関WHOも病気として認定しています。

  7. 暴力的な表現や過激な思想への接触

    ゲームの内容によっては、過度な暴力表現や、偏った思想に影響を受けてしまう可能性も。


これらの危険性は、子供たちが純粋にゲームを楽しんでいるその裏側で、すぐそばに存在していることを、まず親が認識する必要があります。


  1. 「ゲーム禁止!」は逆効果?思春期の子供と向き合う難しさとヒント

これらの危険を知ると、「もうオンラインゲームなんてやらせない!」と思ってしまうかもしれません。しかし、特に思春期・反抗期のお子さんに対して、一方的にゲームを取り上げたり、頭ごなしに禁止したりするのは、多くの場合、逆効果です。


  • 隠れてやるようになる:子供は、親の目を盗んで必ずゲームをするようになり、かえって親が状況を把握できなくなります。トラブルがあっても相談しにくくなるかもしれません。

  • 親子関係が悪化する:子供は「自分の楽しみを理解してくれない」「信用されていない」と感じ、親への反発を強め、コミュニケーションがさらに難しくなる可能性があります。

  • 友達関係への影響:周囲の友達がやっているゲームから仲間外れにされ孤立感を深めてしまうことも。


思春期の子供、特に現代の子供にとって、ゲームは単なる遊びではなく、友達との重要なコミュニケーションツールであったり、ストレス発散の手段であったり、自分の能力を発揮できる大切な場所であったりもします。その世界を全否定されてしまうと、子供は自分の居場所を失ったように感じてしまうかもしれません。大切なのは禁止することではなく、危険性を理解させた上で、安全に楽しむためのルールを一緒に考え、子供自身が自分をコントロールできるように導いていくことです。それには、親の根気強い関わりと、子供との信頼関係や『対話』が不可欠になります。


ゲームに夢中の子供

  1. 子供を危険から守る為の5つのステップ

では、具体的に親は何をすれば良いのでしょうか?一方的な禁止ではなく、子供と向き合い、共に考え、見守るためのステップをご紹介します。


  • ①まずは子供の世界を「知る」ことから

    「どんなゲームをしてるの?」「最近面白いことあった?」など、子供が夢中になっているゲームに関心を持って話を聞いてみましょう。頭ごなしに否定せず、「面白そうだね」「難しそうだね」と共感を示すことが大切です。可能であれば、少し一緒にプレイしてみるのも、共通の話題ができて良いかもしれません。

  • ②『対話』が全ての基本!話せる親子関係を築く

    これが最も重要です。日頃からゲームのことだけでなく、学校のこと、友達のことなど、子供が何でも安心して話せる雰囲気を作っておきましょう。「オンラインで嫌なことがあった」「変な人に声をかけられた」といったSOSを、子供がためらわずに親に伝えられる信頼関係が、最大の安全対策になります。「危険だからダメ!」と一方的に教えるのではなく、「こういう危険があるみたいだけど、どう思う?」「どうすれば安全に楽しめるかな?」と、一緒に考える姿勢を見せましょう。

  • ③ルールは「押し付け」ではなく「一緒に作る」

    「〇時までね!」「課金は絶対ダメ!」と親が決めたルールを押し付けるのではなく、なぜルールが必要なのかを子供に説明し、納得してもらった上で、一緒にルールを決めることが大切です。利用時間、課金の上限(お小遣いの範囲内にするなど)、個人情報を教えないこと、ネットで知り合った人には絶対に会わないことなど、具体的な約束事を、子供の年齢や状況に合わせて話し合いましょう。そして、決めたルールは親子で守る努力を。

  • ④「見守る」ためのテクノロジーも活用する

    子供のスマホやゲーム機には、ペアレンタルコントロール機能がついている場合が多いです。これを使えば、利用時間や課金額を制限したり、年齢に合わないコンテンツへのアクセスを防いだり(フィルタリング)することができます。これは子供を縛り付けるためではなく、「安全に見守るため」のツールとして、親子で話し合った上で活用しましょう。

  • ⑤ 子供の「SOSサイン」を見逃さない

    急に成績が落ちた、昼夜逆転している、イライラしている、口数が減った、お金遣いが荒くなった…など、子供の様子に変化が見られたら、それは何らかのSOSサインかもしれません。ゲームへののめり込みすぎや、トラブルに巻き込まれている可能性も考えられます。変化に気づいたら、頭ごなしに叱るのではなく、「何かあった?」と心配していることを伝え、話を聞く姿勢を示しましょう。必要であれば、学校の先生や、専門機関(精神科医、カウンセラーなど)に相談することも大切です。



  1. 本当に怖いのはゲーム?その向こう側にある「親子関係」の問題

ここまで、オンラインゲームの危険性と対策について見てきました。しかし、もう一歩踏み込んで考えてみたいのは、「なぜ現代の子供はそこまでオンラインの世界にのめり込むのか?」ということです。もちろん、ゲームそのものが面白い、友達と繋がれる、という理由はあります。しかし中には、現実世界での居場所のなさ、学校や家庭でのストレス、親とのコミュニケーション不足(親もスマホ依存状)といった、心の中に抱える寂しさや満たされない想いを、オンラインの世界で埋めようとしているケースも少なくないのではないでしょうか?


現実でうまくいかないことが多いほど、ゲームの中での達成感や、オンライン上の仲間との繋がりがより魅力的に、そして唯一の拠り所のように感じられてしまう…。そう考えると、愛知県の事件も、単に「オンラインゲームで知り合った危険な相手」というだけでなく、少女がなぜ親に心配をかけるかもしれないと分かりつつ(あるいは親との関係が希薄で)、見知らぬ相手を頼って遠方まで行かなければならなかったのか、という背景に目を向ける必要があるのかもしれません。

もし、家庭が安心できる居場所であり、親子間で何でも話せる信頼関係が築けていれば、子供は安易に危険なオンラインの世界に救いを求めたり、現実逃避したりすることは少なくなるのではないでしょうか?オンラインゲームの危険性をいくら教えても、利用時間を制限しても、子供の心の奥底にある寂しさや不安が解消されなければ、根本的な解決にはなりません。フィルタリングや監視の目をかいくぐって、子供は別の抜け道を探してしまうかもしれません。


最終的に子供を守るのは、厳しいルールや監視の目ではなく、日々のコミュニケーションの中で育まれる親子の絆、安心感、愛、そして「何かあったら必ず助ける」という親の揺るぎない姿勢なのかもしれません。少なくとも私は、そう思います。



  1. ゲームとの賢い付き合い方を親子で探る時代へ

オンラインゲームは、現代の子供たちにとって切り離せない文化の一部となりつつあります。その世界には、確かに無視できない危険が潜んでいます。しかし、それを理由に頭ごなしに禁止するだけでは、子供の成長の機会を奪い、親子関係をこじらせてしまう可能性もあります。


大切なのは、親がまずオンラインゲームの世界とそこに潜む危険性を正しく理解すること。そして、一方的にルールを押し付けるのではなく、子供としっかり向き合い、対話し、納得感のあるルールを一緒に作っていくこと。さらに言えば、ゲームにのめり込む背景にあるかもしれない、子供の心の声に耳を傾け、安心できる家庭環境と信頼関係を築いていくこと。


それは、時間も根気もいる、簡単なことではありません。特に思春期の子供との関係に悩んでいる親御さんにとっては、なおさらでしょう。しかし、オンラインの世界がますます身近になるこれからの時代、「ゲームとの賢い付き合い方」を親子で一緒に学び、考えていくことは、子供の安全を守り、健やかな成長を支える上で、避けて通れない課題です。危険から目を背けるのではなく、危険を知った上でどう乗り越えていくか。親子で手を取り合い、この新しい時代の課題に立ち向かっていきましょう。


家庭という「国家」でどんな「政治」を行うべきか

  1. エピローグ:家庭という「国家」でどんな「政治」を行うべきか

ここまで、親子で「ゲームとの賢い付き合い方」を探っていくことの重要性をお話ししました。しかし、その「対話」は、本当に親子間で健全に成り立っているでしょうか?


少し視点を変えて、家庭を一つの小さな「国家」、そして、親をその国の「政治家」に例えて考えてみましょう。子供にとって、家庭のルールは絶対的な「法律」であり、親の言葉や態度は、良くも悪くもその子の世界を形作る「政治」そのものです。

子供(国民)の声に真摯に耳を傾け、なぜそのルール(法律)が必要なのかを丁寧に説明し、時には一緒に悩み、納得できる形を目指そうとする親は、いわば「良い政治家」と言えるかもしれません。

では、子供の意見には耳を貸さず、「とにかくダメなものはダメ!」「親の言うことを聞きなさい!」と一方的にルールを押し付けたり、感情的に頭ごなしに叱りつけたりする親の姿は、子供の目にはどう映っているでしょうか…?


それはまるで、国民の声など意に介さず、自分たちの都合の良い理屈だけで物事を進めようとする、*「腐敗した政治家」*のように見えてはいないでしょうか?子供が抱く「どうして?」「なんでダメなの?」という素朴で純粋な疑問や、「それはおかしいんじゃない?」という正当な反論に対して、親が感情論や「昔はこうだった」という経験則だけで答えをはぐらかしてしまう時、そこには、子供を納得させられるだけの正当な「理由」がない、つまり、親自身が「間違っている」可能性すら存在します。アインシュタインは言いました。


「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない」

と。 私たち親が「当たり前」「常識」「正しいこと」だと信じている価値観も、絶対ではありません。それは、私たち自身が生きてきた時代や環境の中で身につけた、ある種の「偏見」、子供からすれば「非常識」かもしれないのです。目まぐるしく変化する現代において、子供たちの世代の方が、よほど新しい時代の感覚を掴んでいる可能性だってあります。


先述したように、オンラインゲームを巡る問題も突き詰めれば、親子間のコミュニケーション不全と信頼関係の欠如に行き着くのかもしれません。子供を一方的に「管理」し「規制」しようとする発想から抜け出し、一人の人間として尊重し、その声に耳を傾け、共に対話し、時には親自身も自分の「常識」を疑い、変化していく勇気を持つこと。それこそが、ゲームの問題だけでなく、反抗期や思春期という親子にとって難しい季節を乗り越え、子供が自分自身の足でしっかりと未来へ歩んでいくための、最も大切な土台となるのではないでしょうか?


家庭という小さな「国家」で、私たちはどんな「政治」を行うべきなのか。子供の未来のために、そして私たち自身の成長のためにも、今一度、深く立ち止まって考えてみる必要がありそうです。

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