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脳腸相関で紐解くストレスと腸活の重要性:専門医が語る、腸は「第一の脳」

ストレス社会に生きる現代人にとって、心身の健康を維持することは至難の業。しかし、その鍵を握るのは私たちのお腹の中に存在する「腸」かもしれません。近年、腸は「第二の脳」ならぬ「第一の脳」とも呼ばれ、その重要性が再認識されています。


本記事では、「脳腸相関」の専門家である福士審教授の解説を基に、ストレスと腸の関係、そして腸活の重要性について掘り下げていきます。


脳腸相関のメカニズム

目次


ストレス社会と腸の関係:現代人の40%が抱える腸の悩み

福士教授によると、世界中で約40%の人々が何らかの腸の症状を抱えていると言われています。ストレス社会と言われる現代において、この数字は決して驚くべきものではありません。ストレスは自律神経のバランスを乱し、腸の運動や消化液の分泌に影響を与えます。その結果、腹痛、下痢、便秘などの症状が現れ、過敏性腸症候群(IBS)を引き起こす可能性もあります。


過敏性腸症候群(IBS)とは?

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome: IBS)は、ストレスなどによって腸の機能が過敏になり、腹痛、下痢、便秘などの症状が慢性的に続く病気です。検査をしても炎症や潰瘍などの異常は見つかりません。


IBSは主に以下の3つのタイプに分類されます。

  • 下痢型:主に下痢の症状が見られます。

  • 便秘型:主に便秘の症状が見られます。

  • 混合型:下痢と便秘の両方の症状が見られます。


IBSの原因は完全には解明されていませんが、ストレス、食生活、腸内細菌のバランスの乱れなどが複合的に影響していると考えられています。IBSの治療は薬物療法、食事療法、運動療法、認知行動療法などを組み合わせた総合的なアプローチで行われます。



腸は「第一の脳」:脳腸相関のメカニズム

腸は "1億個以上" の神経細胞を持ち、独自の神経系を形成しています。この腸神経系は脳からの指令を受けずに独立して働くことができ、感情や思考にも影響を与えていると考えられています。腸と脳は、迷走神経と呼ばれる太い神経で繋がっています。この迷走神経を通じて腸と脳は双方向に情報を伝達し合っており、ストレスを感じると脳から腸へ信号が送られ、腸の働きが乱れることがあります。逆に、腸内環境が悪化するとその情報が脳に伝わり、ストレスを感じやすくなることもあります。


腸の重要性:人体模型

なぜ腸が第二の脳から「第一の脳」と認識されるようになったのか?

腸が「第一の脳」と呼ばれるようになったのは、比較的最近の研究成果によるものです。以前は、腸は脳からの指令を受けて働くだけの臓器と考えられていました。しかし、1990年代以降、腸が独自の神経系を持ち、脳とは独立して情報処理を行っていることが明らかになりました。さらに、腸がセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を生成し、脳に影響を与えていることも判明しました。これらの発見により、腸は単なる消化器官ではなく、感情や思考にも関わる「第二の脳」と呼ばれるようになりました。


しかし近年、腸の重要性はさらに見直されています。腸内細菌叢(腸内フローラ)の研究が進み腸内細菌が私たちの健康に多大な影響を与えていることが明らかになったのです。腸内細菌は、免疫機能の調節、栄養素の吸収、ホルモンの分泌など、様々な生理機能に関与しています。さらに、腸内細菌は脳の機能にも影響を与えることが分かってきました。腸内細菌が産生する物質が迷走神経を通じて脳に伝えられ、気分や感情、認知機能などに影響を与えていると考えられています。


これらの研究成果からも、腸は単なる「第二の脳」ではなく、むしろ「第一の脳」と呼ぶべきではないかという流れが出てきたのです。腸は脳よりも早く進化し、生命維持に不可欠な機能を担っています。また、腸内細菌叢は私たちの健康と幸福に深く関わっており、腸は「第一の脳」と呼ぶにふさわしい、非常に重要な器官と言えるでしょう。


美味しそうな野菜:食事療法のススメ

ストレスを軽減し腸内環境を整える「腸活」のススメ

腸内環境を整えることはストレス軽減だけでなく、免疫力向上、美肌効果、ダイエット効果など、様々な健康効果が期待できます。


腸活の基本

  1. バランスの取れた食事:食物繊維、発酵食品、オリゴ糖などを積極的に摂取し、腸内細菌のバランスを整えましょう。

  2. 適度な運動:運動は腸の蠕動運動を活発にし、便秘解消に役立ちます。

  3. 十分な睡眠:睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、腸内環境を悪化させる原因になります。

  4. ストレス管理:趣味やリラックスできる活動を取り入れ、ストレスを上手に解消しましょう。


専門医や教授も実践する腸活

  1. 1日1食は発酵食品を食べる:味噌汁、納豆、キムチ、ヨーグルトなど、様々な発酵食品を積極的に摂取しています。

  2. 食物繊維を豊富に摂る:野菜、果物、海藻、キノコ類などを積極的に食べるように心がけています。

  3. オリゴ糖を摂取する:オリゴ糖は腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やす効果があります。


手の中のハート

ストレス社会を生き抜く鍵は「腸活」にあり!

現代社会はストレスの嵐が吹き荒れる過酷な環境。日々のプレッシャーや不安、焦りや葛藤、大小様々なストレスは私たちの心だけでなく、体にも大きな負担をかけています。


そんな中近年注目されているのが、ストレスと腸との密接な関係。腸は単なる消化器官ではなく、私たちの感情や思考、さらには健康全体に影響を与える「第一の脳」とも呼ぶべき重要な存在です。ストレスによって腸内環境が乱れると悪玉菌が増殖し、善玉菌が減少。その結果、便秘や下痢、腹痛などの不調だけでなく、免疫力の低下、肌荒れ、さらにはうつ病や不安障害などの精神疾患にも繋がることが明らかになっています。


しかし、諦めるのはまだ早い!腸内環境を整える「腸活」を実践することで、ストレスに負けない強い心と体を作ることができるのです。腸活は単なる健康法ではなく、ストレス社会を生き抜くためのサバイバル術です。


ストレス社会を生き抜くためには、腸のケアが欠かせません。腸内環境を整えストレスに負けない体を作り心身ともに健康な毎日を送るため、腸を大切にする生活を心がけてみませんか?




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大自然 × 現代科学

古代から伝承されし大自然の叡智、

そして現代科学が解明する自然の力。

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