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​次世代ブログ

【タブー領域】サイエントロジーとは?闇のカルト集団か真の救済か

サイエントロジーという宗教・思想、知っていますか?この記事に辿り着いたあなたは、少なからずこのサイエントロジーに興味を抱き、どんな団体なのか、一体何が目的なのか、色々と疑問に思っていると思います。


最初に述べておくが、私自身はサイエントロジーの信者、いわゆる *サイエントロジスト* でもなければ肯定する立場でもない。かと言って否定もしないが、注意点や懸念は正直に綴ろうと思う。

 L・ロン・ハバード

まず、本文に入る前にサイエントロジーの簡単な歴史を見ていこう。創設者はアメリカの作家 L・ロン・ハバード で、1954年に米国ロサンゼルスで最初のサイエントロジー教会が創設された。ウィキペディア上では、「作家」として説明されているが、実際のサイエントロジー協会の東京ホームページでは、「冒険家」「探検家」「哲学者」との表現も加えられている。その活動や実態については謎が多いが、一般的な認知としてはカルトビジネス新宗教運動などの定義がされており、怪しい団体であるイメージの方が圧倒的に多い。一方、あの世界的ハリウッドスター "トム・クルーズ" も信者であるとされており、そのポジティブな影響はかなり大きい。


しかしそれを加味しても、注意点は多い。創設者である L・ロン・ハバード やサイエントロジーたちは、過去に違法行為を行い有罪判決を喰らっているのだ。例えば、信奉者たちが米国政府への犯罪的侵入計画を行い投獄されていたり、1978年にはハバード自身がフランスの裁判所から詐欺罪で有罪判決(欠席裁判)を受け、4年の禁固刑を宣告されている。他にも、法執行機関や政府機関に対するスパイ行為、および犯罪的背任行為で有罪判決を下されていたりする。


結果、サイエントロジー教会はしばしば、政府や国際機関、法学者や最高裁判所の判決によって、危険なカルト集団であると同時に人を操る利益追求ビジネスであるとされてきた。反面、信仰内容や信条においては、特段おかしな思想でもなく、日本人に馴染み深い「神道」とも重なる部分が少なからずあると個人的には解釈している。


サイエントロジー教会での集会

目次


  1. サイエントロジーとは?起源と目的

サイエントロジーとは、1950年代初頭にアメリカの作家 L・ロン・ハバード によって提唱された宗教・思想体系です。ハバードは、1950年に発表された著書『ダイアネティックス:心の健康のための現代科学』を通じて、人間の精神的潜在能力に着目し、過去のトラウマや心の障害を解消する技法を打ち出しました。これがサイエントロジーの原点とされ、1954年にロサンゼルスで最初の教会が創設され以来、急速に信者を拡大していきました。



公式な教義や実践の中では、ハバードは「冒険家」「探検家」「哲学者」として紹介されることもあり、そのカリスマ的な人物像が、信者にとっては真の救済と精神的向上の道を示すものとされています。一方、外部からはその活動や財政運営、さらには組織運営の方法が疑念視され、カルト集団や利益追求型のビジネスと批判される側面も強調されるようになりました。また、サイエントロジーはその信条や実践法が一見して自己啓発や精神的解放を謳うものでありながら、内部での秘密主義や厳格な規律、脱会者に対する厳しい対応などが指摘され、世界各国で様々な論争の対象となっています。さらに、ハリウッドの著名人、例えばトム・クルーズが信者として知られることもあり、メディアの注目を集める一因となっています。


このように、サイエントロジーは単なる宗教や自己啓発運動を超え、独自の歴史と複雑な背景を持つ宗教運動として、支持者と批判者の双方から強い関心と議論を呼んでいるのです。


サイエントロジーの目的

狂気もなく、犯罪者もなく、戦争もない、そこでは能力のある者が栄え、正直な者が権利を有することができ、人間が自由により高い境地に至ることのできる文明

  1. サイエントロジーの信条と規律

サイエントロジーの信条は、いわゆるサイエントロジストが何を信じ、どのように生きるべきかを明確に示すために作られたものです。以下は、教会の公式ウェブサイトから引用したモノを含みます。


サイエントロジー教会が信じる基本的人権

サイエントロジー教会の信条は、すべての人間が以下の権利を持っていることが強調されています。

  • すべての人間は、民族、肌の色、信条に関係なく平等に創造された権利を有する。

  • 自分自身の宗教的実践や生命、正気、防衛に関する権利は不可侵である。

  • 自らの組織、教会、政府を創造・選択し、支持する自由がある。

  • 自由に考え、話し、書き、他者と議論する権利が保障される。

  • 人間の魂は尊重され、個々人の存在そのものが権利の根源となる。

また、サイエントロジーは心の研究や精神的な問題の治癒が宗教的な領域から切り離されるべきでないと主張しています。さらに、どのような外部の権力も、これらの基本的権利を保留または無視することは許されないという信念が、信条の根底に流れています。

サイエントロジーにおける人間性と生存の哲学

サイエントロジーは、人間は本来「善」であり、自己の生存と仲間との協力、そして宇宙全体との調和を通じて精神的な向上を果たすと信じています。すなわち、個々の生存は自己完結的なものではなく、周囲の人々や広大な宇宙との関係性に依存していると考えられます。こうした信念は、サイエントロジーが単なる自己啓発法ではなく、社会的・精神的共同体としての側面を持つことを示唆している。また、人間は本来「善」であるという考え方は、儒教の思想家である孟子が唱えた「性善説」としても知られています

禁じられる行為と規律

サイエントロジーの信条には、人間としての根本的な権利を守るために、以下の行為を禁じています。

  • 自己や他者の生命、正気、魂を破壊、奴隷化する行為

  • 友やグループの生存を意図的に損なう行為

これらの禁則は、信者が互いに尊重し、精神的な成長と共同体の繁栄を追求するための基本的な枠組みとされているのかもしれません。

規律としての実践

サイエントロジーは抽象的な部分も多いですが、実際の実践法やカウンセリング、オーディティングといった具体的な技法を提供しています。信者はこれらの実践を通して、自身の精神状態を改善し、過去のトラウマや心の障害を解消することを目指すとされます。


トム・クルーズとサイエントロジー

  1. トムクルーズは本当に信者なのか?

トム・クルーズは、サイエントロジーの信仰を公に支持し、その活動が世界中の注目を集めるハリウッドスターとして知られています。以下に、彼の信仰への関与とその背景、さらには彼に対する批判や議論の経緯を整理します。


サイエントロジー信仰の経緯と宣言

クルーズは、1987年〜1990年まで(最初の)妻だったミミ・ロジャースによってサイエントロジーと深く関わるようになり、その後、タブロイド紙によるリークやバーバラ・ウォルターズとのインタビューなどでは、自身がサイエントロジーを信奉していると明言しています。また、同教会の学習技術が失読症克服に寄与したとも語り、精神医学を「ナチズムの科学だ」とも発言しています。他にも、クルーズはとあるインタビューで「僕の成功はサイエントロジーのおかげ」と答えた事もあるほどです。

組織内での役割と深まる関与

クルーズはサイエントロジー教会の指導者デビッド・ミスキャベッジと親友とされており、デビッドは教会の集会で「史上最も重要な新メンバーが確保されつつあります。彼の到着はサイエントロジーの様相を永遠に変えるでしょう」と発表し、その立場を強固なものにしてきました。彼がサイエントロジーの教えを学び始めて数年後、教会側は秘密裏に宇宙人の支配者ジヌーに関する情報など、通常は公にされない教義の一端を彼に教えることを約束したとされています(メンインブラックのような世界観ですね)。2000年代に入ると、クルーズはサイエントロジーの推進活動において国内外で物議を醸す存在となり、彼の行動はサイエントロジー教会の象徴的なプロモーターとして注目されるようになりました。

ロビー活動と反精神医学への発言

クルーズは単に個人の信仰を示すだけでなく、サイエントロジーの理念を広く世間に伝えるため、積極的なロビー活動も展開してきました。2005年には、フランスにおいて内務大臣や上院議長との接触を通じ、サイエントロジーが宗教として認められるよう働きかけたことが報じられています。さらに、彼は「精神医学は違法にすべきだ」という強い発言や、向精神薬の使用に対して批判的なコメントを行い、これがメディア上で大きな論争を呼んだ過去もあります。こうした発言は、サイエントロジーが主流の精神医療に対抗する立場を明確にするものであり、クルーズ個人の信仰と教会の方針が密接にリンクしていることを示唆しています。

国内外における評価とその影響

トム・クルーズがサイエントロジーの信者であることは世界が疑いなく認めています。サイエントロジー教会自体も彼を公式な顔としてプロモーションに起用しており、クルーズの存在は教会の広報戦略にとって極めて重要な役割を果たしています。もちろん、一部の批判者からは、彼のサイエントロジーへの関与が単なるイメージ操作やビジネス戦略に過ぎないという声も上がりますが、長年にわたる公の活動や本人の発言、そして関係者の証言などを総合すると、クルーズが実際に信仰に基づいた生活を送っていることは明白です。

日本の有名人と政治・スピリチュアル論争への示唆

ここで少し違った視点からも見てみましょう。個人的に注目すべきは、トム・クルーズのような世界的ハリウッドスターでさえ、宗教や信条を公然と提唱し、その影響力をもって社会にメッセージを発信している点ではないでしょか?対照的に、日本の有名人や著名人は、自身の本質的な信条や政治的な立場をあまり公にしない傾向が強く、そのために批判を受けるリスクを避ける文化が根付いています。これは、一見すると協調性の高さや、表面的な和を保つ日本の良さとして評価されるかもしれませんが、実際には政治的・スピリチュアルな議論が自由に行われず、真の意見交換が阻害されている側面もあると言える。結果として、社会全体が表面的な情報だけで判断され、本質的な改革や批判がしにくい風潮が生まれている。


以上のように、トム・クルーズのサイエントロジー信仰は、彼自身の実践や発言、さらには組織内での活動からも明らかであり、単なるイメージではありません。同時にこの事例は、個人の信念を堂々と表明することがグローバルな影響力を生む一方で、日本ではそのような透明性や議論が不足している現状への批判とも重なります。政治やスピリチュアル(精神)な問題に対する真剣な議論が、もっと自由に行われるべきだという点は、今の日本社会にとって大きな課題であり、表面的な協調性やタブー視が、真の民主主義や自己表現を阻む一因になっているともいえるでしょう。



  1. 日本人に根付く「神道宗教」との接点

神道は、日本固有の宗教であり、古来より自然や祖先、神々との共生を基盤として発展してきました。神道は形式的な教義よりも、日常生活や祭祀、自然との調和を重視するスピリチュアル的な側面を持ち、精神的な豊かさや内面的な成長を促す考え方として、日本人の根幹に深く根付いています。こうした精神論的・スピリチュアルな要素は、サイエントロジーが掲げる「精神論や救済」とも共通する部分があるかもしれません。

精神論・スピリチュアル要素の共通性

  1. 内面的成長と浄化

    神道では、個々人が自然や祖先の霊と繋がり、心身を清める儀式(祓い・禊など)を通じて、精神的な浄化や再生を目指します。一方、サイエントロジーも「オーディティング」と呼ばれる実践を通して、過去のトラウマや精神的障害を解消し、真の自己に到達することを目的としています。どちらも、内面の浄化を通じた自己変革を強調している点で、精神論的な共通性が見られます。

  2. 宇宙との調和・存在の根源

    神道は、自然界や宇宙全体を神聖視し、人間がその一部として共存することを重んじます。これに対してサイエントロジーは、人間の精神が宇宙の根源的な法則に基づいていると考え、個々人がその真理を学ぶことで精神的自由を得ると説いています。いずれも、個人が宇宙との調和を通じて自らの存在意義を見出すという観点で、スピリチュアルな哲学が共有されています。

日本における文化的背景との融合

神道は、日本人の精神文化の深層に根ざしており、日常生活や伝統行事に溶け込んでいます。これに対し、サイエントロジーは海外発祥ながら、グローバル化の中で日本にも影響を及ぼし普及しつつあり、特に自己啓発やスピリチュアルな側面が日本人の感性に受け入れられる部分もありそうです。例えば、日本では「気」や「霊」といった概念が古くから重んじられていますし、スピリチュアル系の話題が好きな人も大勢います。これらはサイエントロジーの精神的解放の考え方とも重なるため、双方に共鳴する部分があるといえるでしょう。


  1. サイエントロジーとは?まとめ

サイエントロジーは、L・ロン・ハバードによって1950年代に創設された宗教・思想体系であり、自己啓発や精神的解放を追求していると思われます。その根幹は「人間は本来善である」「すべての人間は平等な権利を有する」といった普遍的な信条を掲げ、精神の浄化と救済を目的としています。一方、信奉者たちが関与したとされる違法行為や組織的なビジネス要素、創設者自身が詐欺で有罪を喰らうなど、内部には暗部が存在するのもまた事実です。

特に、例えトム・クルーズのような世界的ハリウッドスターがサイエントロジーの熱狂的な信者だとしても、懐疑的な疑義は拭えません。


実際のところ、サイエントロジーに関する客観的な情報は非常に乏しく、内部の秘密主義や過去の違法行為、ビジネス的側面など、検証すべき疑問点が多く残されています。どれだけ有名人が信者としてその存在感を示そうとも、これらの背景に対しては慎重な判断が必要でしょう。信条そのものが普遍的な価値や神道・儒教などと重なる部分があり共感できる部分もあるだけに、過度にのめり込むことは誤った情報に振り回されたり、トラブルを招く可能性も否めません。


総じて、サイエントロジーとは、その救済説や精神的アプローチという魅力的な一面を持つ反面、闇の側面や疑念も多く存在しているため、情報を冷静に吟味し、十分な情報収集と客観的な視点を持つことが大切です。


個人的には、ぜひ一度教会に訪れてその真髄に触れてみたいものです。その機会があれば、追って追記したいと思います。


 


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